かりほの庵

本日は10月1日。

旧暦では、まだ長月(九月)八日。

今年は、閏月のある年なので、長月が二度続きます。

(約三年に一ヶ月、閏の月が挿入される)

10月23日が旧暦の長月晦日(三十日)で、翌日10月24日が閏長月の一日となります。

なので、神無月が今年は11月22日からなのですねえ。寒い神無月になりそうです。


ところで、10月8日は、ユダヤの「仮庵の祭」だそうですが、ちょうど皆既月食にあたりますね。


「仮庵」・・・と聞くと、私なんかは、つい小倉百人一首の一番を思い出してしまいます。

『秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ』・・・天智天皇

この歌は、天智天皇の歌とされていますが、元歌と思われる歌が万葉集に収録されています。

『秋田刈る 仮庵を作り わが居れば 衣手寒く 露ぞ置きにける』・・・・作者未詳


どうやら万葉集の作者未詳の歌が、平安時代になってから、若干変更を加えられて

天智天皇の作として、流布したようです。

農夫ではないはずの天皇が、農夫の辛さを思いやった歌として解釈されているのが通常ですが、

その解釈には、少々無理があるように思えます。

また、平安時代後期から鎌倉時代にかけて活躍(?)した藤原定家が百人一首をまとめていて

飛鳥時代の天智天皇に始まり、鎌倉時代の順徳院まで、百人の和歌を選出して襖にしたということでいろいろと曰くありげなまとめられ方にも思えて、妄想もふくらみ、面白いです。


話を仮庵に戻しますが、

日本でも、この頃(10月の上旬)は仮庵を作る時期ですね。

秋祭りが、あちこちで催されます。

ユダヤの仮庵とは、全然意味が違いますけど、時期が重なってて面白いですね。