手 紙

君におくる 短きふみの 重さかな

 

はるばると 届く便りに 胸おさえ

             春

湯けむりに 浮かぶ子の声 春の宵

           六月の風景

濁流に 取り残されし 松の枝

 

風匂う 音に色づく あやめかな

 

たたずめば 待宵草も 露に濡れ