四  季 

花のころは

明日を愁ふる こともなく

散りゆきて いま 待つ春は 遠し

 

夜を明かし

月を 見送る

朝焼けの 空をゆさぶる

鳥の はばたき


ふりむけば

小さく ゆれる 吾亦紅

 手をふる君に 秋空は 深し

 

冬の野に 斜交いの日を ふみしめる

  枯れ草の上 百舌鳥の鳴く声  

雪の夜は

ともしび ひとつ 中におき

  心ゆくまで 朋と語らん