風の指先

7編の詩を

載せてみました

2014年3月20日現在

I am the voice・・・

言葉には

意味以前の 音があり

文字には

形以前の 色がある

 

I am the voice・・・

あなたの前髪に

そっと 触れているのは

風の指先

(2013/12/1)

深い森

眠りの森の奥深く

生命(イノチ)の水の

湧き出る泉があって

私は毎夜、彼女のもとへと翼はためかせ

飛んでいく

全身が鼓膜になったみたいに

肌で聴こえる、目で聴こえる・・・

森のささやきが、キコエル

指先で触れる 木々の声

見上げた空に舞う 鳥たちの声

そして

こんこんと湧き出す水の音

美しい泉の精の歌

そこは、私の

本当の生が息づく場所

(2013/11/16) 

いしのふえ

川原を散歩していたら

足もとで かすかな声がする

小石がひとつ 私を見上げていた

小石には 三角形の穴があり

私は しゃがんで 石を手に取り

耳にあててみた

「吹いて」

そうなの?

「うん、吹いてみて」

口をすぼめて 小さな穴に そっと息をおくる

ピ~♪

高くて細い音が鳴る

口の形、石の向き、息の強さ・・・

いろいろ試してみる

へえ~、いろんな音が出るのね

「わたしとあなたの音」

あなたと私の音なの?

「そう、二人で奏でた音」

 

白鷺が ゆっくりと

川面に 舞い降りてくる

2013/11/17

色・艶・彩(いろ、いろいろ)

言葉に・・いろがあり

音に・・・いろがある

 

風に・・・いろがあり

心に・・・いろがある

 

だから 私は、景色をながめるように

あなたの歌を聞く

 

海の青に・・音があり

空の青に・・音がある

 

朝焼けの海に・・音があり

夕焼け空に・・・音がある

 

だから 私は、歌うように 手紙を書く

たいせつな「あなた」に

色を添え

艶をだして

彩り・・・あざやかに

私の心音を 手紙にのせる

2013/11/22

数は

高い空のかなたから 舞い降りてきた 天使

 

木の葉のかげに そっと隠れたり

野に咲く花の 小さな花びらの上に ちょこんと座ったり

蝶の羽にのっかって ひらひら揺れたりしながら

わたしたちを 見守り続ける

・・・天使たち

 

この世界が 示唆に満ちているのは

そのためだ

 

数は

優劣を競うためのものじゃない

数を貶めるのは もうよそう

 

数は 天使

神の・・・

ピュアな 使い

2013/11/29

magic

その手品を

本当の魔法だと思っている時

種を明かされると

がっかりする

 

だけど

 

はじめから手品だとわかっていたら

種明かしは、面白い

ときに

感動さえする

2013/12/14 

おかげさま

小さな

ちいさな

神様

 

いつでも どこにでも だれにでも

ひっそりと よりそっている

 

ものの陰から あなたをみている

モノの もうひとつのナマエ

 

それが おかげ様

2013/12/4